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スマホ・乾燥・姿勢…現代の生活がつくる喉の違和感それって「後鼻漏」かも

  • 畠中美希
  • 5 日前
  • 読了時間: 6分

最近、「鼻水が喉のほうに落ちてきて、喉がイガイガする」「風邪でもないのに、なんとなく喉が気になる」そんなお声を聞くことが増えています。

強い痛みがあるわけではないけれど、毎日続くと、ふとした瞬間に気になってしまう。はっきりした不調ではないけれど、“なんとなく不快な状態が続いている”そんな方も多いのではないでしょうか。それってもしかして「後鼻漏」かもしれません。


デスクワークやスマートフォンの使用が増える現代では、頭が前に出た姿勢が長時間続きやすくなります。この姿勢では首や喉の前側が圧迫され、鼻から喉にかけての血流や体液の循環が低下します。その結果、鼻粘膜の働きが弱まり、分泌物が前に排出されにくくなり、後鼻漏として自覚されやすくなるのです。また、今の季節は乾燥も後鼻漏に関わっています。


今回は、そのような違和感を感じている方に向けて、「後鼻漏」に原因や体の仕組み、そして整え方をわかりやすくお伝えしていきます。


  1. 乾燥が後鼻漏を引き起こすしくみ

  2. 東洋医学から見た後鼻漏

  3. 後鼻漏のセルフケ


1、乾燥が後鼻漏を引き起こすしくみ


空気が乾燥する季節になると、鼻の中では目に見えない変化が起こります。

鼻粘膜には、本来吸い込んだ空気を湿らせ、温め、異物を粘液でとらえて体外へ排出する働きがあります。


しかし、乾燥した環境が続くと、鼻粘膜の表面は水分を失いやすくなり、粘膜そのものが刺激を受けやすい状態になります。


この状態になると、鼻は「これ以上乾かないように守ろう」として、粘液の分泌量を増やします。ところが、空気中や体内の水分が不足していると、分泌された粘液はサラサラと流れにくく、粘り気の強い性状に変化してしまいます。


後鼻漏のメカニズム
後鼻漏のメカニズム

粘り気のある分泌物は、本来のように前方へ排出されにくく、鼻の奥にとどまったり、重力によって喉の方へ流れ落ちやすくなります。


これが、「鼻水が出ていないのに、喉に違和感がある」「痰がからむ感じが続く」といった後鼻漏の症状として自覚される一因です。また、口呼吸が加わると、鼻や喉の乾燥はさらに進み、粘膜への刺激が強まります。乾燥・口呼吸・分泌のアンバランスが重なることで、後鼻漏は一時的なものではなく、慢性的に続きやすくなっていきます。


2、東洋医学から見た後鼻漏


―「肺・脾・腎」の関係―


東洋医学では、後鼻漏の症状を単なる鼻の不調ではなく、体の土台からのサインとして捉えます。

特に関係が深いのが、肺・脾・腎の3つの臓腑です。


肺 〜鼻と喉の潤いを司る〜


肺は、鼻や喉など呼吸器全体を管理し、粘膜の潤いを保つ役割を担っています。

肺の働きが弱まると、乾燥が進み、粘液が粘りやすくなり、後鼻漏として自覚されやすくなります。


脾 〜痰や湿を生みやすい臓〜


脾は、水分代謝と消化吸収を担います。

脾の働きが低下すると、余分な水分が体に停滞し、「痰」「粘液」として現れやすくなります。

この痰が鼻や喉に絡むことで、後鼻漏が長引く原因になります。


腎 〜体の土台・潤いの源〜


腎は、

  • 成長・老化を司る

  • 体を温める力

  • 深い潤い(腎陰)を保つ

といった、体の根本的なエネルギーを担います。

腎の働きが弱ると、

  • 粘膜の乾燥が慢性化する

  • 回復力が落ちる

  • 冷えやすくなる

といった状態になり、後鼻漏が「なかなか治りにくい症状」へと変わっていきます。

特に、・長期間続く後鼻漏・年齢とともに悪化してきた症状では、腎の関与が大きいケースが多く見られます。


肺・脾・腎がこの3つの臓がバランスよく働くことで、

  • 粘膜が潤い

  • 痰が溜まりにくくなり

  • 回復しやすい体の状態

へと近づいていきます。

鍼灸では、この「土台」から整えることで、後鼻漏が起こりにくい体づくりを目指します。



3、後鼻漏のセルフケ

― 東洋医学 × 解剖学の視点から ―


後鼻漏は、「鼻だけをケアすればよい症状」ではありません。

姿勢・自律神経・食生活や生活習慣が重なることで、鼻や喉の環境が乱れ、症状として現れます。

ここでは、ご自宅でできるセルフケアを東洋医学と解剖学の両方の視点からご紹介します。


① 姿勢を整える

― 鼻から喉の“通り道”をつくる ―


【解剖学的な視点】

頭が前に出た姿勢や猫背が続くと、首の前側が圧迫され、鼻腔から咽頭にかけての血流・リンパの流れが低下します。

その結果、鼻の分泌物がスムーズに処理されず、喉へと流れ込みやすくなります。


【東洋医学の視点】この姿勢は、肺・脾の働きを妨げ、「痰湿」が停滞しやすい状態をつくります。


▶︎ セルフケア・耳・肩・股関節が縦に並ぶ意識・長時間のデスクワークでは、1時間に1回首を起こす・胸を軽く開くストレッチ

「首を立てる」だけでも、後鼻漏の感じ方が変わる方は多いです。



② 自律神経を整える

― 分泌と排出のリズムを戻す ―


【解剖学的な視点】寒さやストレスが続くと交感神経が優位になり、血管が収縮し、鼻粘膜の分泌・排出のバランスが乱れます。これにより、粘液が粘り、後鼻漏として残りやすくなります。


【東洋医学の視点】これは、肺の防御機能の低下、腎の回復力の低下とも関係します。


▶︎ セルフケア・深くゆっくりした腹式呼吸・首・お腹・足首を冷やさない・寝る前はスマホを早めに手放す「リラックスできる時間」が、実は一番の鼻ケアになることもあります。


③ 食べ物・ツボ・お灸

― 体の内側から整える ―


食べ物

【東洋医学】脾を助け、痰を生みにくくする食事が大切です。

◎ おすすめ・温かいスープ、味噌汁・大根、生姜、ねぎ・白米、さつまいも

△ 控えたいもの・冷たい飲み物・甘いもの、乳製品・脂っこい食事


ツボ押し・お灸

迎香(げいこう)小鼻の横。鼻づまり・鼻水に。

足三里(あしさんり)胃腸を整え、痰を溜めにくくする。

太谿(たいけい)腎を補い、慢性的な疲労や冷えの改善に。

お灸やツボ押しは、「気持ちいい」と感じる強さで十分です。


後鼻漏改善に関わるのつぼ
後鼻漏改善に関わるのつぼ


セルフケアは「続けられること」が大切

後鼻漏は、日々の積み重ねが影響する症状です。無理なく続けられるケアを取り入れ、体の内側から整えていくことが、改善への近道になります。日々のケアとともに鍼灸&アロマオイルマッサージで全身調節をしてあげることも、体の働きを高めてあげることにつながります。


スマホ、乾燥、姿勢。忙しい毎日の中で、鼻やのどは意外と酷使されています。

今日できることをひとつ。それが、明日の違和感を軽くしてくれるかもしれません。

できることから体への労りをしてみてください。




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