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なんで起こるの「気象病」〜天気に左右される体の仕組みとセルフケア〜

  • 畠中美希
  • 7月16日
  • 読了時間: 7分

「あ”〜〜〜〜、また今日もくる。頭重いし、体だるいし、、、しんどいっ。」


天気予報アプリに目をやると、明日には気圧がグッと下がる表示。「やっぱりか…」と思わずため息がこぼれる。

ここ最近、天気が崩れる前になると決まって頭が重たくなったり、体がだるくなったり。心まで沈むような感覚がつきまとう。


天気に左右されるのは、本当に辛い。

今、仕事も多忙だし、体が辛いと仕事も思うように捗らないし。

余計にストレス感じるし、、、。


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頭痛、めまい、関節の痛み、イライラや眠気。なんだかいつもより心身が不安定になる…。

天気予報アプリを見ると天気は下り坂。


それ「気象病」かもしれません。


今回はそんな「気象病」についてお伝えをしていきます。


1、日本人の6割が感じている「気象病」とは

2、なぜ「気象病」が起こるの?

3、やってみよう!!セルフケア

4、豆知識「世界の気象病」と「他の生き物はどうしている?」



1、日本人の6割が感じている「気象病」とは


「気象病」という言葉が使われるようになったのは、実はここ10〜15年ほど。

医療現場では以前から“自律神経の乱れ”や“気圧変化による頭痛”などが知られていましたが、最近になってようやく、“天気が体調に影響する”ことが一般にも認知されはじめてきました。


症状は、人によって様々ですが「頭痛」「めまい」「関節痛」「気分の落ち込み」などが特に多いです。調査によると、日本人の約6割が天候の変化で体調不良を感じたことがあると言われています。 


ホルモンと自律神経は影響するため、ホルモンバランスが揺らぎやすい年代、30〜50代の女性、また最近では初潮を迎えたばかりの思春期の女の子も気象病のような症状が出ているという報告もあります。対処法がわからず、痛み止めや市販薬に頼っている人も多いのが現状です。


2、なぜ「気象病」が起こるの?


 主な原因は「気圧の変化による自律神経の乱れ」。天気が悪くなる時は「気圧が下がる時」。

 

〈気圧〉=上からかかる空気の重さ 


空気は目に見えですが、地球をぐるっと包む「大気」は重さがあります。それが地面にかかってる圧力が「気圧」です。


  1. 気圧が下がるときは、上空の空気が薄くなっている

    上昇気流(暖かい空気が上に昇る)が発生し、空気が上に逃げていきます。


  2. 空気が上昇 → 冷える → 水蒸気が雲になる

      雲が出る時は、「上昇気流で気圧が下がっているサイン」


気圧が下がるときは、上空の空気がどんどん上に逃げていく状態。ちょうど、タッパーのフタをゆっくり開けて、中の空気がスーッと抜けるような感じです。外からの押す力が減るため、私たちの体は「膨張しやすい」状態になります。


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もう少し詳しくみていきましょう。


◎通常であれば、、、

外からしっかり押されている → 体の中の圧(内圧)と外(気圧)がバランスよく保たれている。血管や組織も安定。


◎気圧が下がると、、、

 外(気圧)が下がると、内側とのギャップが生まれます。   

 このギャップを埋めるために、体液や血流が調整されます(=でも無理がかかる)。

 つまり、 外からの「蓋」が緩むため、内側のバランスが崩れやすくなる=自律神経も乱れやすくなるというわけです。



体の変化としては、


◎血管が広がり→血流がゆっくりになる→酸素が届きにくくてだるい。

◎脳や内耳での液体のバランスが崩れる→頭痛やめまい。

◎自律神経が「調整しきれない」→不調が起こる。


気圧が下がると、大気の圧力が減って、体の中が「ちょっと膨らみやすい」「広がりやすい」状態になり、それに体が慌ててバランスを取ろうとするものの、うまくいかないと「不調」が出るという仕組みです。


気圧の変化は天気だけではありません。


身近な「気圧の変化」としては、例えば…

  • 飛行機で急上昇したとき、耳がキーンとしたことありませんか?

  • 高層ビルのエレベーターで「ふわっ」とした感覚になったこと、ありませんか?

  • ジェットコースターで、キューッと内臓が浮くような感覚、ありますよね?


これらはすべて、気圧の変化によって体が反応しているサインなんです。

ですので、飛行機で体調が悪くなりやすい方やジェットコースターで気持ちが悪くなる方は、気圧の影響も受けやすい方が多いです。


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3、やってみよう!!セルフケア


その1、耳のマッサージ(耳ひっぱり・ぐるぐる回し)

気圧の変化に敏感な内耳の循環を良くする


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その2、食事

ポイントは「巡りを整える・むくみ解消」→ 気圧低下で水分代謝が落ちやすいときに◎


◎小豆・はとむぎ・大豆製品 →体内の余分な水分を排出する力があり、むくみや頭重感の緩和に

◎セロリ・春菊・とうもろこしのひげ茶 →利尿作用があり、頭のぼせにもおすすめ

◎カリウムを含む食材(きゅうり、バナナ、ほうれん草など)


むくみを解消する
むくみを解消する


その3、ツボおし「気圧の変化による不調におすすめのツボ」


①【内関(ないかん)】

  • 手首の内側、手のひら側で、手首のシワから指3本分ひじ側にあるツボ。

  • 船酔いやめまい、吐き気、自律神経の乱れに◎

  • ストレスにもよいので、気象病の「モヤモヤ」にも効果的。


 押し方:親指でゆっくり3〜5秒かけて押し、ゆるめる。左右5回ずつが目安。


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②【百会(ひゃくえ)】

  • 頭のてっぺん。両耳を結んだ線と、眉間の中央を上にたどった線の交わるところ。

  • 頭痛・自律神経の調整・気分の落ち込みにも◎

  • 気が「上にのぼっている」感じのときにもよく効く。


押し方:中指または人差し指でやさしく押し、5〜10秒。深呼吸しながらやるとより効果的。

「つまようじ療法」で刺激するのもおススメ↓

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③【足三里(あしさんり)】(体力・めぐりを整える)

  • 膝のお皿の下、外側に指4本分下がったところ

  • 自律神経・胃腸の不調・全身の気の巡りを整える

  • 気象病+消化器系の不調がある人にもおすすめ!

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また、鍼灸やアロマオイルマッサージで全身の巡りをよくするのもオススメです!!



4、豆知識


その1「世界の気象病」


気象病に悩むのは日本だけではありません。

ヨーロッパ(特にドイツ・イタリア)では「気象感受性(Wetterfühligkeit)」という言葉があり、天気によって体調が左右される人が多いとされています。


カナダやアメリカでも、低気圧が近づくと「気圧性頭痛」を訴える人が一定数いるとの報告もあります。


東南アジアなど湿度の高い国では、「頭重感」「むくみ」「消化不良」などが出ることも多くその影響で、スパイス(ジンジャー・ターメリック・シナモンなど)ハーブティー(レモングラス・ミント)が日常的に取り入れ、お腹を温め、消化力を高めることにより、湿気に負けない体をつくる工夫があるのです。


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その2「他の生き物はどうしているの?」


天気の影響は、人間だけではありません。他の動物はどうしているのでしょうか。



低気圧が近づくと、水の中の気圧も下がるため、魚は深い場所に移動することがある。

特に海水魚は敏感で、浅瀬にいなくなる=釣れにくくなるといわれる。気圧センサーのような器官(側線)で変化を察知してると考えられています。


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低気圧時には飛ばずにじっとしていることが多いです。それは、空気が重く湿っていると、羽が濡れやすく、飛行に適さないためです。

また、渡り鳥は気圧を手がかりに飛行ルートを決めるという研究もあります。


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カエル


カエルが鳴くのは雨の前兆というのは、まさに気圧の低下を感じているからです

カエルが鳴くのは オスだけで、主に メスを呼ぶための「ラブソング」.

鳴く季節は、繁殖期=春〜夏の雨が多い時期です「雨の前」に鳴く理由としては、カエルの皮膚はとても薄くて敏感であり気圧の変化を敏感に感じとります。

気圧の変化を敏感に感じ取る低気圧(=雨が近い)になるとソワソワして活発になり、鳴き出します。蛙にとって、雨が降るのは水場ができ卵を産むチャンスとなるのです。つまり、カエルにとって「雨」は命をつなぐチャンスそのもの。鳴いてメスを呼び、繁殖のタイミングをはかってると言われております。


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クモ


「雨の前にクモが巣を張る」

クモは気圧や湿度にとても敏感な生き物。

雨の前は湿度が高くなり、気圧が下がります。そうすると、小さな虫たちは空気が重く感じて、高く飛べなくなる(羽ばたきが効きにくい)ため、低い位置をフラフラ飛ぶ虫が増えるクモは「今がチャンス!」とばかりに巣を張るのです。🕸

雨上がりは、クモの巣が低い位置にあり、引っかかることもあるので、クモの巣に引っかからないように注意したいですね。



天気は私たちがどうにかできるものではないですが、体の仕組みを知ってケアをすることで、辛い症状を軽減していことが良いですね♪




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